〜八高音楽部・復活期〜 |
連載第2回・私たちとコンクール |
こうして私たちの戦いの日々は始まった。 〜当時の音楽部日誌より〜
顧問の先生から部室の鍵を頂き、長い間封印されていた部室に入る。 日誌には“感心した”と書かれているが、それ以前に部室の汚さに驚いた。 ほこりの舞う暗く暑い部屋、楽譜はそこらじゅうに散らばり、足の踏み場もなかったのは 私の気のせいではないと思う。とりあえず部室の掃除から始めた。 しかし・・・丸一日費やして掃除しきれなかった。恐るべし部室! 一方、部室のものを一つ一つ手にして片付けていくなかで、かつての先輩方の青春時代の思い出に いくつも遭遇し、復活への決意が固まったのも事実である。 何事も目標がないと前に進みにくいものです。私達は無謀にも、一年生10人で、Nコンに出ようと 決めました。Nコンの存在はJrに聞きました。顧問の先生に相談に行ったら馬鹿にされました。 『えっ?自分らの実力わかっとる???指揮する僕が恥をかく。』 なんて内容の話をされましたが、私達が頑固なのは皆さんご存知の通り。 『それでも出たいんです。やってみないと分かりません。』 きっぱりと言い返しました。今思うと若かった・・・・・・・。青春ど真ん中! けど、けどね、やっぱり無理でした。出場断念。全員で話し合って決めました。恥をかいてもいいから 出ようって決めた。しかし、音をとる時点で苦戦していた。ハーモニーには程遠い、歌うというよりがなる、 そんな状態。どんなに頑張っても『合唱する』ということにたどり着けず、苛立ちだけがつのり、部員の心が バラバラになってしまったのです。コンクールどころではなく、部の存続に関わる状況に、私達は今は スタート地点、心を一つにとにかく基礎を築いていこうと決めました。 たった10人でNコンの舞台に挑もうとしていた。本気だった。 私達の年代は、今でも賞にこだわる。コンクールにこだわる。周りの方々の支えに対する恩返し という気持ちもあったかもしれない。でも、それ以上に八鹿高校音楽部の復活を、合唱界にも認めて 欲しかった。自分達が頑張った証が欲しかった。私達にとってNコンは夢の舞台。出たくても出れなかった。 この時の悔しさこそ、今でも私達が賞に、コンクールにこだわる理由なのです。
けれど辛い事の方が多かった。 |
連載第3回に続く。 |
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