〜八高音楽部・復活期〜

連載第9回・〜定演復活〜

 ついに、やってきました51期生引退の時―――。
 
定期演奏会復活、それが私達の最後の大仕事だった。
 ・・・・・・なんだか音楽部は最後まで大変だった(笑)。

 高1で仲間と、合唱と出会い、
 いつのまにか音楽部は家族のような存在になっていた。
 ほんとに多くの方々に支えられ、
 高2ではコンクールで銀賞をとるまでに成長した。
 先日、オリンピック選手の一言を聴き、おもわず頷いた。
 
『お世話になった分だけ、怖くなる・・・・・・。』
 お世話になった方々の笑顔は、次第にプレッシャーに変わり、
 矛先は部員に向かい、最後はもう家族というより軍隊だった。
 定演前に書かれたある部員の日誌が、それを顕著に表している。


 部活ってどういうものなんだろう。
 自らが楽しみ、思い思いのかたちでやっていくものだと思うんだけど。
 今って全くその反対だと思う。
 休んだらどうとか、人の目がどうとか言って、自分を偽りやっていかないと
 いけないような部活は絶対いけないと思う。
 ・・・・・・なんとなく異様な雰囲気。
 みんなが無理をしているような感じを受けます。



 心にどーんときた。
 歌が好きで好きで、歌ってたあの頃の想いをいつのまにか忘れていた。
 それが八高音楽部の"原点"なのにね。

 正直、定演の想い出は小野塚・西川ともに、
"ひたすら忙しかった(>_<)!!!"
 吹奏楽と掛け持ちをしている部員も多く、アンコンや双方の練習で手一杯、頭一杯!
 多分、殆どの者が満足のいく練習が出来ずに本番を迎えた。

 でも、満足のいく演奏会になりました。
 去年、翌年には定演ができるなんて誰が予想できただろう。
 しかし、この演奏会が終われば全てが終わってしまう、そんな気持ちもあった。
 本番前、初ステージと同じ町民会館の舞台袖。全員で手をつないだ。
 去年はみんなの息遣いが聞こえるほど小さかった輪っかが、
 今では舞台袖いっぱいに広がる大きな輪に・・・・・・思わずこみ上げる涙。
 
"いろいろあったね"、やっと一つになれた気がしました。

 演奏会の内容も凄かったよ〜。
 八高讃歌で幕をあけ、
 
1st Stageではコンクール曲。
 2nd Stageでは指揮・西川での合唱。みんな自然と笑顔に。
 中でも、私達のテーマ曲となっていた
『PIECE OF MY WISH』では、
 次世代の音楽部を担う1年だけのソロパートもあり、観客をひきつけました。
 
3rd Stage、吹奏楽部員有志らが中心となった混声合唱に始まり、
 賛助出演してくれた八鹿中学校の演奏、最後は私達も加わり、大合唱に・・・・・・!
 
4th Stage、初の組曲"海鳥の詩"より4曲を熱唱。
 そして、
Ending
 すべての人の心に花を、と題し沖縄民謡
『花』を吹奏楽の伴奏で歌いました。
 両部のOBもステージに上がり、会場を温かい音楽が包みこみました。

 定演終了後の、1年生からの花束には参りました(〒-〒)
 ごめんね、音楽を音が苦にしてしまって。
 そして、あの日誌を書いた子が、今度はこんな感想を記してくれました。

 私は今まで、実は一度も部活を楽しいと心から思ったことがなくて、
 強制的にさせられているものという感じがずっとしてました。
 でも、今回初めて「部活って楽しい」と思えました。
 それは、その時だけのほんの一瞬のことなのかもしれないけど、
 私にとってはとても大きくうれしいことだったんです。
 自分は定演までと思ってやってきて、このようにいい思いができて、
 本当に部活に入ってきてよかったです。


 音楽部復活をかけた高校生活。
 音楽部なしに今の私はありえない。
 私も、本当に音楽部を作ってよかった!

連載第10回(最終回)に続く。

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